書評

なぜ今コンテンツマーケティングなのか?企業のマーケ担当が今すぐ「沈黙のWebライティング」を読むべき理由

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「あなたの仕事に役立つ」ビジネス書をマスクマンがわかりやすく解説する「覆面読書」。
第1回目のレビューは、書籍化の発表と共にWebマーケティング/SEO界隈がざわついた「沈黙のWebライティング」です。

このレビューでは「沈黙のWebライティングとは」「なぜ業界で注目されているのか」「どんな人が読むべきか」「なぜ今ライティングが必要なのか」など、マックス☆まつむらがストロングスタイルでお送りします。

※こちらの記事は、「美女読書」さんのパロディーです。「美女読書」さんとは一切関係はありません。

沈黙のWebライティングとは

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沈黙のWebライティングとは、京都のWebマーケティング会社「株式会社ウェブライダー」の社長であり、SEOに効果があると評判のWebテンプレート「賢威」の開発者の松尾茂起氏が執筆した、「SEOのためのライティング教本」です。

本書の帯に書いてあるとおり、こんな悩みを持っている方は必見の書です。

  • 検索エンジンに評価される記事を書きたい
  • わかりやすい文章が書けない
  • 書いても書いても成果が出ずに困っている

前作「沈黙のWebマーケティング」は、発売とともに、Amazonランキング1位をとり、今作もランキング1位のWebマーケター大注目の書籍なのです。

業界注目の理由

「沈黙のWebライティング」「沈黙のwebマーケティング」は、なんといってもわかりやすく、Webマーケティングに携わっていない方でも、読みすすめるだけで、そのノウハウが理解できます。

本書が注目されている理由の一つとして、他のビジネス書と異なりストーリー仕立てで展開されていることが挙げられ、Webマーケティングの初心者でも大変わかりやすく読み進めることができます。

いわゆるビジネス書は専門的内容を、専門用語を用いて解説するものがほとんどでありますが、本書は、ボーン・片桐というキャラクターを主軸としたストーリーをベースに、Webマーケティングの解説が展開されます。そのストーリーは、読み物としても大変惹き込まれるものであり、まるで映画を見ているような感覚でWebマーケティングを勉強できるでしょう。

また、ストーリー仕立てで読みやすいだけでなく、何といっても、著者である松尾さんの実績や実体験に基づいたSEOで勝ち抜くためのノウハウがしっかりと詰まっていることが挙げられます。そのノウハウは、非常に具体的で、一過性であったり小手先のテクニックといった類のものではありません。恒久的に使える、本質をついたノウハウなのです。

惹き込まれるストーリー、そして、今すぐ実践できる“使える”ネタが詰まっていることが、業界注目の理由と言えるでしょう。

本書は2016年10月13日に予約が開始され、発売日は2016年11月1日でした。
発売日以降の反響はすさまじく、「届いた!これから読む」などのツイートが多数つぶやかれていました。

松尾茂起氏とは

本書の著者である松尾茂起さんは、SEO業界でその名を知らない人はいないといって過言ではないでしょう。
CSSNiteでの登壇をはじめとして、数多くのセミナーで講義をされております。私マックスも何度か参加しました。

まだ松尾さんのことを知らないという方は、松尾さんの経歴や背景を頭にいれておくと、本書に書かれているノウハウの理解がより深まると思います。(ストーリーの中でも思わずニヤリとしてしまう展開もあります)

松尾 茂起(株式会社ウェブライダー)

2010年に京都にて株式会社ウェブライダーを設立、自社商品・サービスの開発を中心に、さまざまなwebサイトの制作・運営・コンサルティングなどをおこなう。

「ユーザーから支持されるコンテンツをつくり、web集客を強化する」という視点で、多くのサイトのコンテンツマーケティングを成功させている。

最近プロデュースした主なコンテンツは『沈黙のWebライティング~webマーケッター ボーンの激闘』。 同コンテンツは、2015年2月にMdNから書籍化された『沈黙のWebマーケティング』の続編である。

また、健康に関する知識をわかりやすく解説しているメディア「ナースが教える仕事術」は、68記事目の時点で月間200万PVを突破。 現在、多くの検索ワードで1位を獲得している。

webプロデューサーとしての面だけでなく、音楽家としての面ももち、「恋のSEO!/マージントップで歌わせて」や「私の心の中の関数~My Excel Story」などの楽曲も発表。

2011年には、国民文化祭・京都のPRイベント「1111人のピアニスト」のテーマ曲を作曲。 音楽とwebマーケティングを絡めた企画の新たな可能性を追い求めている。

引用元 CSS Nite in HIROSHIMA, Vol.9

どんな人が読むべきか

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スキル・経験を問わず企業のWebサイトの担当者は必見だと思います。
特に、Webマーケティングの部門に配属されたばかりの方や、将来マーケティングの職につきたいと思っている学生さん、マーケ職希望の新卒1~2年目の人は本書をよく読み勉強することを強くおすすめします

企業のWebサイト担当になると、Webサイトの改修や新しいページの追加、はたまたキャンペーンサイトの立ち上げなど、さまざまなシーンで多くのWebの仕事をこなさないといけません。

そこでぶつかるのが「何をしてよいかわからない」という状態です。
「いい感じのサイトをつくれ」「とにかく検索順位をあげろ!」といったあいまいな指示も多く飛ばされるでしょう。

WebマーケティングやWebライティング未経験の場合、何からはじめていけばよいかわからないと思います。

本書はWebマーケティングの素人である「みやび屋」の女将サツキと弟のムツミを中心にストーリーが展開されるため、自分自身がいるステージとサツキ・ムツミの成長を照らし合わせて勉強することができます。

しかも「ライティング」という分野においてここまでロジカルに体系立てて書かれた内容は他には見当たらないと思いました。
詳しくは、本書のepisode3「リライトと推敲の狭間に」のヴェロニカ先生の特別講義を熟読してください。

私も、Webマーケティングの駆け出しだったころに出会いたかった。。。

なぜ今、コンテンツマーケなのか

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SEOの現状

沈黙のWebライティングを読むにあたり、理解しておくべき背景を書いておきます。

SEOは、乱暴な言い方をすれば、被リンクとキーワードさえあればよいという時代がありました。

いわゆる「ペラサイト」が乱立され、内容のないサイトからリンクを送りまくるといった施策をすることで、上位表示が可能だった時代です。また上位表示させたいサイトにキーワードをつめこみまくり、検索ユーザーを無視した施策も横行しておりました。

それが正にムツミが行った施策です(本書のP33~34 参照)。
これらの施策は、Googleにとって本意ではなく、「よりユーザーのためになる検索エンジン」とするべく定期的にアップデートを施したのでした。パンダアップデートやペンギンアップデートです。

細かいアップデートの詳細はさまざまなサイトで解説があるので省略します。
また、Googleがアップデートを行っている背景や意図は、本書にも細かく書いてありますので、読んでみてください。

リンク(=Webの投票)さえ集めればよい、キーワードを詰め込めばよいという時代が終わり、検索ユーザーのためになるコンテンツがないと上位表示されないといった状況が、今のSEOを取り巻く環境です。

なぜ今、検索意図を汲み取ったライティングが必要なのか

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本書に頻繁に出てくるキーワード「検索意図」。
「検索意図を汲み取ったコンテンツが重要である」と、本書のepisode1を中心に書かれています。

重点的に書かれている背景として、「ハミングバード」が挙げられます。

ハミングバードとは、Googleのアルゴリズムのことで、今までの「辞書型検索」から「会話型検索」に変わったアルゴリズムです。

他のサイトでもよく言われていることですが、「コンビニ 近所」などで検索した場合、今までは「コンビニ 近所」のワードが入っていないと検索結果に出てこなかったものが、たとえば渋谷で「コンビニ 近所」といったワードで検索すると、利用端末の位置情報などを下に、渋谷近辺のコンビニ情報を出すなどといった結果を返したりします。

ハミングバードアップデートが実施され、Googleは、キーワード単体での検索結果を表示するのではなく、キーワードの背景や文脈全体などのさまざまな情報を理解し、ユーザーの検索意図に対して関連性の高いコンテンツを上位表示させることできるようになったのです。

この背景としてAIの技術が発達したことが挙げられるでしょう。

Googleは、人工知能「RankBrain」をアルゴリズムの一部として利用することで、ユーザーの入力する検索クエリの「意味」を理解し「会話型検索」ができるようになったのです。

碁の世界チャンピオンをくだした「AlphaGo」のニュースは記憶に新しいですが、これから、いま以上にAIの技術が発達していくでしょう。

技術が発達すればするほど、検索の意図や背景をコンテンツに含めなければならないことは、想像に難くありません。

Googleが検索ランキングの決定の3大要素について公式に発言してします。

  • コンテンツ
  • リンク
  • RankBrain

この発言からも分かるとおり、いまGoogleに評価されるには、検索意図を汲み取ったコンテンツを掲載しなければ、上位表示されることが難しく、本書でも重点的に解説がなされているのです。

ライティングができる人が重宝される時代

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コンテンツマーケティングやライティングの重要性は、本書ならびにシリーズ1作目の「沈黙のWebマーケティング」を読めばよく理解できると思います。

検索意図を無視したライティングでは検索結果の上位表示はもとより、確実にWebサイトから収益はあがりません。
しかしながら、検索意図を重視して、良質な記事を書くことは非常に能力と労力が必要になります。

本書では、効率的に記事を書く例として、ライターを雇ってメディアを構築する章があります。
これは、特に企業が「効率的に良質な記事を書くには」といった考えから直面するであろう“ライターを雇用する”シーンを想定して書かれた章だと思います。

私も実感しているところですが、企業のWebマーケティング担当は、ライティング専門として雇用されている訳ではありません。

様々な仕事がある中で、コンテンツを書き上げるということは、どうしても片手間の作業になってしまいます。

片手間では、その記事の本数もさることながら、記事の内容も、本書で書かれている「熱意」も伝わらず、結果としてWebからの収益はあがりません。

そのための手段として、企業として、ライターと契約したりするシーンもでてくるでしょうし、実際にライター契約をして進めている企業やアフィリエイターも多いです。

「沈黙のWebライティング」は、その背景を押さえるべく、ライターの選出方法やライターの取材方法の解説があります。

ライターの選び方などは、実際経験しないと分かりません。

下手なライターにあたると、自社のサイトにマッチしないものや、目的に沿った記事を書かれないといったことも頻発します。

そのたびにやり直したり、自分で書き換えるといったことも出てきます。

そうならないためにもライターの選出や、こちらの考える意図や目的の共有は重要です。
ライターがこちらの意図と同じ方向を向くためにも、マインドマップは重要であると、あらためて感じました。

また、これは私の邪推ですが、企業のWebマーケティング担当は、流行っているからといって安易に「バーグハンバーグバーグに記事を書いてもらおう!」とか思わないようにと、松尾さんが警鐘を鳴らしているように感じました。

(狙いがあって、有名ブロガーやライター集団に発注するのはありです。あくまでも“安易な発注”はNGと感じました。)

※詳しくは、本書「episode6 嵐を呼ぶインタビュー」のサーロイン杉本とバズボンバーのくだりを読んでください。

本書を読んでの自分の振り返り

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本書を読んで、かなり勉強になったというのが正直な感想です。
特に勉強になって、自分の仕事を振り返るときに重要だと感じたポイントを、備忘録としてまとめておきます。

  • 専門性、網羅性、信頼性はコンテンツに含まれているか
  • 自社商品/自分のサイトのUSPはなにか
  • 自分事化による共感
  • 読み手にとって「なぜ?」という疑問が残させない文章になっているか
  • 論理的な文章か?論理的な文章であれば「共起語」も自然とはいってくる
  • 文章が不必要に長くなってないか

上記ポイントは、これだけでは「なんのこっちゃ」だと思いますので、本書を読みましょう!

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